電電公社時代の携帯電話
amadana 2011年製作
携帯電話を約2年使い込み、かなり汚くなってきた。
「わざともっと汚なくしてやろうじゃないか」
携帯に自分で塗装しなおしてもすぐに剥げてしまう。ならば、剥げてもいいような塗装にすればいい。
やっぱり「サビ」だな。
出た。こればっかりだ。
携帯が鉄で出来ていて、使い込まれて塗装が剥げ、サビが出ている状態を目指す。
鉄に塗装がしてあり、使い込まれるうちに塗装がはげ、地肌が出てくる。その地肌の色はちょっとメタリックな、かなり濃い焦げ茶色だ。私の携帯の元々の色がまさにその色。(最初の写真)
まず携帯にサビ色を塗ってみた。二枚目の写真(良い男の写真という意味でなく)の状態になった。
吹き付けも考えたのだがマスキングが難しい。筆塗り。
けっこうムラがあるが気にしない。むしろ面白い効果が出るかもしれないし。
その上に白色を塗り重ねる。ボディ色が剥げてきて下塗りの層が覗いている表現と、発色を良くする目的だ。
さて、次にいよいよボディ色。
ボディ色はくすんだ水色にしてみた。こんな感じの色がサビによく似合う。
ここまで全部ラッカー系の筆塗り。ムラでボコボコだが気にしない、気にしない。
ところでこの携帯、マイクはどこにあるんだ?
え?もしかしてこれ?
ボディ底面に幅1ミリくらいの溝がある。塗料で埋めちまってた。あわてて塗料をかき出す。 壊れてなくてよかった。こんな状態のを修理にdokomoへ持って行ったら「こんなことしたら壊れるに決まってるじゃないですか」って絶対言われる。
さて一日乾燥させて、表面を1000番の耐水ペーパーで軽くこすってみる。
おっ!いい感じ。下塗りの白やサビ色が顔を出してきた。しかしラッカー系とはいえ、まだちょっと塗料が乾燥しきれてないようだ。気にしない、気にしない。
2000番まで磨き進んだが、出っ張っているところがつや消しで、凹んでいるところがテラテラした気持ち悪い感じ。 おおまかにマスキングしてつや消しクリアーを全体に吹き付ける。
仕上げにハンブローのサビ色(そんなのは無いんだが62番が実にいいサビ色)を薄めて筆でチョコチョコっと。
これは使っているうちにとれてしまうだろうから、スミ入れの要領で凹部中心に。
「電電公社時代の携帯を今でも使っていたら」というコンセプトなので、スライドさせた液晶部分の裏面にシールで電電公社のマークと、仕様書みたいなラベルを作って貼ってみたのであるのである。
日本電信電話公社は昭和60年に民営化されNTTになった。

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