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観た映画の感想を書きます。 映画がらみのHPとか作っているので、映画好きか、というとそうでもないのです。昔の傑作とか名作とか、あんまり見たことないですし。映画一本見るのはなかなかしんどいです。相当面白い映画でも「早く終わらないかな」と思いながら見ています。そんな奴の言う感想ですのであてにはなりません。 2024年02月08日 「生きる LIVING」(2023)(初)(BS放送鑑賞) 黒澤明の「生きる」が海外でリメイクされると聞いた時にはどんな作品になるのか不安だった。何も予備知識なしでリメイク版をテレビで見てみてまず驚いたのが、黒澤の「生きる」は1952年公開。時代の設定もおそらく1952年ということだろう。イギリス版。時代設定は1953年。ほぼ同じだ。当時撮影されたフィルム(?)、入念なロケ地選定、あるいはCGでの表現が見事だと思った。画面サイズはカラー、スタンダード。1953年のイギリスとはどんなだったのかは全く知らないがそれを教えてもらっただけで価値ある一本だった。 2023年12月24日 「イエスタデイ」(2019)(初)(BS放送鑑賞) イギリスの田舎町のスーパーマーケットでバイトをしているジャックは有名プロミュージシャンを目指している。そしてそれはなかなか上手くいかない。 ある夜、ギターを背負い自転車に乗っていると世界中で一斉に停電が起きる。ジャックはトラックとぶつかってしまい、気がつくと病院で寝ている。友人たちは気の毒がって、事故でダメになったギターの代わりに新しいアコースティックギターをプレゼントしてくれる。ジャックはお礼にとBeatlesのYesterdayを弾き語りする。友達たちは「いつそんな歌を作ったんだい」と驚く。みんなビートルズを知らないみたいだ。そんな馬鹿なことがあるかと家に帰りパソコンで「The Beatles」を検索しても虫の写真が出るばかりであのThe Beatlesは出てこない。事故後の世界ではビートルズは存在していないのだ。それと「Coke」(コカコーラの愛称)も。 ジャックは覚えているビートルズナンバーを次々に発表する。天才として迎え入れられる・・・さてどうなるのか。 ある程度のビートルズの知識(有名曲とかビートルズのメンバーとか)を持っていないと楽しめないかもしれない。私も分かってない部分がたくさんあるのかもしれない。 なかなか面白かった。 2023年05月04日 「GSワンダーランド」(2008)(初)(パッケージソフト鑑賞) GS(グループサウンド)をテーマにした架空の話の映画。 エレキギター仲間から回ってきて見てみたら意外と面白かった、というもの。 2023年05月01日 「ローズマリーの赤ちゃん」(1969(日本公開年))(数回目)(パッケージソフト鑑賞) あまり本など読まない若い頃(今でも読む方ではないが)本屋でふと目について買った本が原作の「ローズマリーの赤ちゃん」(アイラ・レヴィン著)。なんでこの本を買ったのかというと、本の後半部分が紙で封をされており、「この後半を読まずにいられた方は代金をお返しします」といった販売の仕方に乗せられたからだ。もちろん封は破いて全部読んだ。 オカルトなストーリーもそうだが、ニューヨークのアパートに住む住人達の生活、風俗がもの珍しく、面白かった。 調べてみたらそれは1967年のことのようだ。高校2年。そんなに昔だったのか。 そしておそらくその翌年の1968年、映画化された。これは映画館には観に行っていない。しかしずいぶん後になってテレビ放映され、ベータで録画したものは何回も観た。 よくできた映画だとは思うが、原作の「はたしてこの疑いは真実なのか、思い過ごしなのか」という描写が、映画だから仕方がないがあまり出来ていないのが残念。 2023年04月14日 「鬼火」(1956)(初)(テレビ放送録画鑑賞) 「鬼火」は吉屋信子の、文庫本にすればわずか5ページほどの短編を原作にしていて、映画の方も上映時間46分と短尺だ。それでもずいぶん話は膨らませてある。たまたま原作は読んでいたことがあり、しかし主演のガスの集金人役の加東大介が良いハマり役だった。加東大介は上手い俳優さんなんだなと改めて思った。 2023年01月25日 「事件記者」(日活制作劇場版 1959~1962)(初)(パッケージソフト鑑賞) amazonプライムで「事件記者」というシリーズ映画をやっていてはまってしまう。 「事件記者」のオリジナルはNHKのテレビドラマ。1958年から1966年まで、なんと生放送で放映されていた。 私が今はまっているのはその劇場映画版。日活で劇場用として10本作られたもの。製作されたのは1959年から1962年で、テレビ版と時代が被っているのが面白い。 警視庁詰めの新聞各社のトクダネ競争の話。記者たちは『ベーさん』『イナちゃん』『ガンさん』など愛称で呼ばれていて、キャップが電話などで『へいへい、じゃあダンナはヤッコサンを追って頂戴』などの会話が独特の言葉遣いが小気味よい。 NHK版とは一部、微妙に俳優さんが異なっているのだがNHK版をほとんど覚えていない私としては意外に気にならない。 あんまり気に入ってしまって、これは手元に置いておきたいと、中古の3枚組DVDを買ってしまった。 2023年01月10日 Shall We Dance? (2004)(初)(テレビ鑑賞) 録画してあったのを、日本のとどう違うのかと思って観てみた。 オリジナル版の役所広司は良い人柄の主人公を上手く演じていたが、このアメリカ版のリチャード・ギアも素晴らしい。 意外なほどストーリーや設定が、オリジナルの周防正行監督版を尊重していて驚いた。 2022年10月03日 幸福の黄色いハンカチ (1977)(10回目くらい)(テレビ鑑賞) BSテレ東で放送されたデジタルリマスター版が自動録画されていたので、消す前にちょっとだけ見ておこうとしたら最後まで見入ってしまった。 何回も見ているくせによく覚えていない部分もあった。 (以下ネタバレ) ラストシーンで探していた高倉健の家が見つかり、待っている合図の黄色いハンカチが盛大にたなびいている。健さんは呆然と立ちつくす。健さんが家に向かうのを躊躇していると武田鉄矢と桃井かおりが勇気づけるように背中を押す。倍賞千恵子が待っている家に歩き始める高倉健。 「そのあと」 洗濯物を干している倍賞千恵子と顔を合わせる健さん。家に入る二人。「そのあと」武田と桃井はマツダファミリアに乗って去る。車を路肩に停めて抱き合う二人。黄色いハンカチのアップ。「終」マーク。 今回見た感想としては「そのあと」以降が無いとしたら、高倉健が家に向かって歩き出してそのまま終わったとすれば、とても自分好みな良い余韻だったのではないかということをふと思った。 2020年04月21日 Shall we ダンス? (1996)(2回目)(Amazon Prime Video鑑賞) 世の中、新型コロナウィルスが席巻していて、緊急非常事態宣言が出て2週間になる。収束の兆しもまだ見えてこない。街では店を閉じている店が多く、あまり出歩かないようにお達しが出ている。これからどうなるのだろう。という状態。 映画とかが制作される日はいつ来るのだろうか。 さて、それでなくてもあまりやることのない日々。「Shall we ダンス?」を見てみた。 去年から今年にかけて、テレビ朝日で「やすらぎの郷」「やすらぎの刻~道」という倉本聰脚本のドラマを放送していて、「Shall we ダンス?」に出演していた草刈民代がそれにも出ていて、若い頃はどんなんだっけ、というのが「Shall we ダンス?」を見たきっかけ。 まあ25年くらいも経つのだから当然若いわけだが、それよりも映画に惹かれた。こんなに良い映画だったのか。 ロケ地を巡ってみたくなったが、ダンス教室があるのは西武池袋線の江古田駅だったそうで、駅は改築され、ダンス教室があったビルも取り壊されているそう。 2020年02月04日 フォードvsフェラーリ (2019)(初) 去年はとうとう一回も映画館に行かなくて、今年も行っていない。 1964年のル・マン24時間レース。この映画は見たい物だと思っていたら、お誘いがかかったので久しぶりに映画館に出かけた。この頃の映画館はネット予約だとか席選びだとか難しく、なかなか一人では行けない。 アメリカ映画の時代の再現性はすごいな。アメリカ人にはもっとそれが分かるんだろな。 2018年12月11日 カメラを止めるな! (2018)(初)(パッケージソフト鑑賞) 今年公開されて、意外な展開ということで話題になった低予算映画。なるべく情報が入らないようにしてDVDの発売を待った。友人三人で集まり鑑賞会。なるほどね。これはDVDで見たほうがいいね。2回続けて観れるからね。 結局今年映画館に行ったのは「エイリアン コヴェナント」のみ。もうどんな映画だったか忘れてしまった。 2018年01月05日 赤ひげ (1965)(5回目くらい) 黒澤作品の一つの区切りになる最後の白黒作品、最後の三船出演作品。案外回数は見たことなくて、10年ぶりくらいに見た。二、三度泣かせられるのだが、二木てるみがらみのシーンばかりだ。(テレビ鑑賞) 2018年01月03日 エイリアン コヴェナント (2017)(初) 一作目、1979年の「エイリアン」は大好き。劇場では怖くて薄眼で見ていた。 後でビデオでゆっくり見てみると、H.R.GIGERのデザインが凄くて、そこに感激した部分が大きい。 二作目以降、あまり好きでない。 なんで一作目がそんなに面白かったかといえば、それはまだ地球外の生命に遭遇していない地球の人間が、初めて想像もつかない生命、生命の残した物体に接するから。想像を超えた魅力でGIGERがデザインしている。というところが好きだった。 二作目以降はもう何が出てきても驚かないし、GIGER色も薄れてきた。 今回のはまるでリメイクのように一作目にストーリーが似ている。でももう面白くない。ヒロインにも納得できない。 2017年11月20日 ブレードランナー2049 (2017)(初)(劇場鑑賞) 「ブレードランナー2049」を観る。 一作目公開が1982年で、35年前とのこと。わしは30代。そんなに経つのか。今は無い新宿ミラノ座で観たのが昨日のことのよう。当時、日本では正式に発売されてないベータ版の輸入ソフトを手にいれたり、オリジナル音源ではないサントラもどきを買ったり。 今回のは2049年の設定らしい。わしが生まれてちょうど100年後。2時間43分の長丁場ということで、心配だったがあっという間。 ミラノ座も新宿コマも新宿プラザも無い歌舞伎町を後にする。なんだか過去と未来がごちゃごちゃになった気分。 2017年10月11日 天国と地獄 (1963)(?回目)(劇場鑑賞) 新宿で4Kデジタルの「天国と地獄」を見てきました。「天国と地獄」の検証については協力者にも恵まれてもうなんだか一つの趣味と化していますが、いつもは細かいところばっかり見ていて、集中して通して見るのは本当になかなか無いことでした。全体のボリューム、シーンの構成、など今更ながら改めて実感できて「ああ、こういう映画だったのね」と思った次第です。 コマ劇場が無くなって、新しくなったビルに入るのも初めてでした。 2017年09月26日 猫と庄造と二人のをんな (1956)(初)(上映会鑑賞) お誘いを受けて世田谷区の千歳船橋での「森繁久彌さんの映画会と ご次男 健(たつる)さんのお話」という催しに行く。 千歳船橋駅から会場である「カルチャーパビリオン平安」に向かう。予想はしていたのだけれどここは斎場。葬儀の時には祭壇がある場所に白布のスクリーンが張ってある。 森繁健さんの面白いお話の後に上映されたのは「猫と庄造と二人のをんな」(監督 豊田四郎 1956)だ。初めて見る映画だ。そうとうに面白い。行ってよかった。 この催しは町会と商店街が主催で入場無料。無料だからというわけではないが次回も行ってみようと思う。 2014年08月09日 GODZILLA (2014)(初)(劇場鑑賞) 小学校の時の同級生と「GODZILLA」を見る。 合計130歳。シニア割引き。うれしいような悲しいような。 入場の時に年齢を証明するようなものの提示は求められない。それもさみしい。 「ほんとに60歳以上ですか?そうは見えないですけど」 と言ってくれるくらいのサービスは欲しい。 割引いてもらって勝手言うようですが。 「GODZILLA」僕は面白かったです。 2014年01月16日 永遠の0 (2014)(初)(劇場鑑賞) 奥さんを誘ったけど「絶対いやだ」と言うから仕方なく一人で観に行く。 映画館なんてホント行かない。前回映画館で観たのは何だろ。「三丁目64」?「ゲゲゲの女房」?なんだか忘れた。多分フィルム上映だったのだろう。デジタル上映は初めて。ちなみに3Dはまだ見たことない。 泣けるという噂だから心配したけど、涙は長いロールクレジットを見ている間に乾いたからよかった。 私も自分の親の馴れ初めすらよく知らないくらいだから、祖父の時代のことなど、ほとんど何も知らない。たった二代前なのに。 零戦のプラモ作ろうかな。 2013年11月28日 河岸の旋風娘 (1963・松竹)(初)(劇場鑑賞) 「動画」 おおっ!また1年ぶりの感想だ! ものすごい大ファンというわけでもないのですが、弘田三枝子さんはけっこう好きで、Youtubeで「そっと一人に」という曲を見つけ、動画をiPhoneに入れて持ち歩くくらいに気に入っていたのでありました。 この動画は1963年、松竹映画「河岸の旋風娘」という弘田三枝子さん主演の映画からのようで、映画全編も見てみたいなあ、と思っていたのでした。 すると隣駅、阿佐ヶ谷に「阿佐ヶ谷ラピュタ」という定員数十名の映画館があり、そこで今週いっぱい上映されていることを知り、行ってきました。映画館は今年初です。なんと。前回は「ゲゲゲの女房」だったからずいぶん久しぶり。 あるSNSでは「つまらん」という評判ばかりだそうです。しかしどれだけつまらんのか見てみたいというのが人情。 まったく期待していなかったせいか、けっこうつまらんではないでした。 出演は豪華で伴淳三郎、浦辺粂子、津川雅彦、勝呂誉、千秋実、由利徹らが出ています。東宝色つよいですよね。 2012年12月07日 六條ゆきやま紬 (1965)(初) おおっ!4年ぶりの感想だ! 松山善三、高峰秀子、小林桂樹ときたから「名もなく貧しく美しく」のような作品を期待してしまったのがいけなかったか。 フランキー堺と大空真弓が出演している。二人は恋仲だ。大空はフランキーを「じろうさん」さんと呼ぶ。駅前シリーズを連想してしかたがなかった。(テレビ鑑賞) 2008年12月12日 ハッピーフライト (2008)(初) まずこの映画にOKを出した全日空の度量の大きさは拍手ものだと思う。 機長昇格テスト、キャビンアテンダントや地上勤務の方々の実態。我々知らない人が見たら実際もこうなのだろうと本気にするかもしれないし、知っている人が見たらそうそう、よくあること、と思うのかもしれない。 スチュ・・いやキャビンアテンダントの映画かあ。どうせまた困ったちゃんのお客がいてイライラする映画なんだろうな、と思って見たら、大体そうだったけど面白かった。 昔風に言えば特撮もよく出来ていると思った。どこが実写なのかCGなのかミニチュアなのかよく分からない。 ところで本作品は特撮映画ではないのだけれど、現在の特撮の話題になると「円谷の時代からは特撮もずいぶん進歩したよね」とかいう声が聞こえてきそうな気がしていやだ。円谷の特撮に対する考え方は根本的に違うのではないかと思う。円谷特撮はミニチュアを本物に見せようなんて、はなから思ってはいないのではないだろうか。「ほら、よくできたミニチュアでしょう?」とよく出来た作り物を観客に楽しんでもらうスタンスなのだ。 どっちの特撮も楽しいですけどね。(テレビ鑑賞) 2008年02月15日 団塊ボーイズ (2007)(初)(劇場鑑賞) 5年ぶりくらいに会った友達と見に行った。 予想通り、いや予想以上にゆるゆるにゆるい映画だった。 すがすがしいほどの感動の無さ、心に残らなさ。まさに一級品。 いやいや、皮肉を言っているのではないです。こういう映画大好きです。でも退屈は全然しない。 上映が終わって黙って席を立つ観客達。日本の団塊の世代の方(自分もモロそう)が多い。金返せ的なオーラを発している人も多かった。笑。 2007年02月12日 バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 (2007)(初)(劇場鑑賞) 1990年、日立製作所ではすでにドラム式洗濯機の開発が女性研究員によって進められていた・・・。 17年前にタイムスリップ、というところがいい。この微妙で半端な昔が。 いわゆるワンレン、ソバージュ、太い眉毛、ボディコンといった女性が大量に出てくる。あとタバコの広告、自動でない電車の改札などなど。 奥さんと見にいったのだが入場料金が夫婦とも50才以上だと一人1000円というサービス。あ、わしらそれだ!もうそんなサービスを受ける歳なのかあ・・映画を見る前からタイムスリップしたような錯覚・・・。 2007年01月02日 フラガール (2006)(初) 常磐ハワイアンセンターでフラダンスを踊る炭坑の娘たちの話。 「練習成果モノ」として「スウィングガールズ」と比べて見てしまう。 「スウィングガールズ」はラストで見事な演奏を見せてくれ、感激する。ラストまでは上手くなった彼女らの演奏は伏せられている。 「フラガール」はラストシーン前に、常磐ハワイアンセンターオープンまでの宣伝活動で、ある程度上達した彼女らのダンスが披露されてしまうのでラストでの驚きが少ない。 若い女性がたくさん出てくるにもかかわらず、恋愛めいたエピソードが皆無なのが面白いと思った。 メガヌロンは出てこない。 2006年12月23日 犬神家の一族(新) (2006)(初)(劇場鑑賞) 傑作「犬神家の一族」がリメイクされた。旧作は1976年公開だったから30年ぶりだ。 市川崑監督は「同じように作った」と述べている。それをやってどういう意味があるのだろう、と思っていた。 映画を見て「そうか、豪華な遊びだったんだ」と思った。30年経って同じことをするのは楽しいだろう。 新旧、ややニュアンスが違ったところもある。 たとえばラストシーン。旧作は金田一がお別れ会を辞退して那須駅から汽車に乗って去っていく、サラッとした終わり方だった。 新作は野道を遠ざかって行く金田一が途中で振り返り、感慨深げに事件のあった村を見つめるアップ。音楽は「砂の器か」と思わせるほどに盛り上がっている。 私は旧作が好きだ。金田一という人は人間味あふれているのだが、実は事件の真相にだけ興味を持っている人なのだ。飄々としていてドライな人なのだ。そういうかっこよさは旧作の方にあると思った。 2006年05月30日 クレージーメキシコ大作戦 (1968)(ほとんど初) メキシコ大作戦というから海外ロケはメキシコだけかというとサンフランシスコの街もたくさん出てくる。 面白いと思ったのは、海外ロケなのだから外人の俳優さんやエキストラには不自由しないはずなのだが、室内シーンなどはセットでの撮影を行うため、日本で大量に外人さんが必要になってくることだ。「フランケンシュタイン対バラゴン」でフランケンシュタインを作っていた博士なども出てきた。 春川ますみの死体が転々とするあたりは奇想天外でテンポがよく、かなり面白い。(テレビ鑑賞) 2006年05月30日 香港クレージー作戦 (1963)(3回目くらい) 海外ロケ作品というと観光に重点がおかれ、ストーリーはとっちらかっている、という偏見を持っているのだが、この作品は無理のない理路整然とした分かりやすいストーリーだ。クレージー映画量産時代なのだが、撮影もすごく丁寧な感じだと思った。 もちろん香港の街でのロケもふんだんにある。人力車(輪タクだったかな?)を引く香港人は現地の人ではなく、いかにも現地の素人の香港人のようになりきっている橘正晃さんだったのが面白かった。(テレビ鑑賞) 2005年11月05日 ALWAS 三丁目の夕日 (2005)(初) 昭和24年生まれの私、昭和30年代は小学生としてバリバリに体験してきている。昭和30年代を再現したの映画? おいおい、ちょっとでも時代考証に間違いがあったら承知しないぜ! と意気込んで見てみたら、いや、恐れ入りました。素晴らしいです。 原作であるビッグコミックオリジナルに連載中のマンガ「三丁目の夕日」も愛読している。映画の登場人物は原作の通りなのだが、中にはキャラクターが全然違う人物もいる。考えてみると原作であるマンガの登場人物はみんな、おだやかな性格でいい人ばかりだ。映画化するにはそれではメリハリがつかないだろうから、たとえば鈴木オートの社長は短気でやや乱暴な人になっていたりする。それは納得だ。鈴木オートの住み込み従業員、六ちゃんなどは、なんと女の子だ。原作によく出てくるタヌキのエピソードなどもちゃんと盛り込んであって感心する。 CGもこういうんだったらオッケーだ。都電の走る大通りのクレーン撮影など、眼前にまごうことなき昭和30年代が現出し「おーっ」と感動する。 2005年05月08日 スウィングガールズ (2004)(初) 大好きなグレン・ミラーを女子高生が演奏する。しかもセーラー服だ。オジサンである私はうれしくないわけがない。 題材的にとても好きなタイプの映画だ。同じタイプの映画に大林宣彦監督の「青春デンデケデケデケ」があり、これも大好きなのだが「スウィングガールズ」もかなり良い。ウソくさい展開、演出も良い。 監督はかなり若い人だったように思う。だからなのか、現代の女子高生と劇中の女子高生の生態のギャップは少ないように思える。ここにギャップがあると見ていてきつい。しかしやはりそれは若くない私だから気がつかなかったのかなあ。 私が学生時代、学生が出てくる映画やテレビドラマを見ていると「今の学生ってこんなじゃないよなあ」と笑うことはよくあった。不良の女の子が出てくると「アタイのダチがさあ」とか言っている。「こんなやついないよ」と思ったものだ。いたのか? たとえば「若大将」でもそれは言える。私は学生時代、若大将を見て「こんな大学生はいないよ」と思った。だから今の若い方が若大将を見て「昔の大学生ってこんなだったんだ」と鵜呑みにしてはいけない。今、若大将を見る見方は「このころの大人が見た大学生ってこんなだったんだ」が正しい。 2004年12月05日 ゴジラ FINAL WARS (2004)(初)(劇場鑑賞) もう、ぜーんぜん、ダメ。 残念! 2004年07月16日 たそがれ清兵衛 (2002)(初) 監督・山田洋次 山田洋次監督の時代劇はどうなのか。とても面白いのだった。 人は自分の人生の中で何度か「決断」を迫られる時がある。自分の決断によって自分の人生を決めるのだが、諸々の事を考えるとなかなか自分を貫くことは難しい。主人公の井口清兵衛 (真田広之)もそうだし、その妻になる飯沼朋江 (宮沢りえ)もそうだった。 どことはうまく言えないのだが山田洋次監督らしさが随所にみつけられる。山田監督にはいつも泣かされてしまうのだった。 2003年12月7日 クレージー作戦・先手必勝 (1963)(2回目) 監督・久松静児 久松静児監督は駅前シリーズを多く手がけている。そのせいかこの「クレージー作戦・先手必勝」はとても駅前テイストな作品だ。地方都市、あるいは東京郊外といった設定、人情味あふれる地元商店主たちの繋がり、あまりさらっとしていない恋愛描写などだ。無責任作品としてはそれほどブワーッとしたストーリーでないが、それもまた良い。 もう一本、この鑑賞日記には以前にも書いたのだが「クレージー作戦・くたばれ!無責任」も同時に見た。オープニングは植木の住む団地の白黒画像。出演者などの横書き文字にのみ色がついていて、かなりかっこいい。白黒のままストーリーが進み、しょぼくれた植木がハッスルコーラを飲むと元気になり、画面もカラーになる。あざやかな面白さをあらためて見直した。(テレビ鑑賞) 2003年11月15日 シベリア超特急 (1996)(初) 監督・水野晴郎 出演・水野晴郎、かたせ梨乃 これまた考えさせられる映画だ。確かに商業映画としてちょっとどうなんだろう、とは思うが作品の良い悪い、面白い、つまらないはどう決まるのだろう?という疑問につきあたる。何を作りたいのかではなく、売れればよい、という欲望だけが見え隠れする作品よりはよっぽど清々しいとも言える。 それより、CS放送で放映された番組の録画で見たのだが、某お笑いの人や漫画家が水野氏本人を呼んで水野氏を笑い物にするトークは信じられなかった。どういう奴がそれを面白がるんだろう。(テレビ鑑賞) 2003年10月19日 北京原人 -Who are you?- (1997)(初) 配給・東映 監督・佐藤純彌 出演・丹波哲郎、緒方直人、佐藤蛾次郎、ジョイ・ウォン 「幻の湖」の興奮もさめやらぬうちに、またしても日本映画史に残る快作を見る。 2001年(未来といえば2001年に決まってる)、日本のスペースシャトル内で、ある実験が行われていた。北京原人のDNAから北京原人を作り出すのだ。そしてそれは成功してしまう。 それからまあ、なんだかんだあって、国家機関である生命科学研究所では北京原人にいろいろな「訓練」をする。たとえば猛獣の映像を見せる。北京原人はその映像に石を投げる。しかし石ではダメなのだ。ヤリでないと。何故? 答えを明かしてしまおう。それは北京原人を陸上競技大会(それもオリンピックとかではなく、地方大会クラスの)のやり投げ競技に出場させて優勝を狙うためなのだ。わからない・・・何故? ああ、頭がクラクラしてくる・・・Who are you?(笑) 通常の、それもどちらかといえばシリアスな映画を見ている時、「ここでこんな意表をついた展開になれば面白いのになあ」と、冗談で考えることがある。この映画はそんな思いを現実のものにしてくれる。異常に面白い。 さあ、次は「シベリア超特急」だ!(テレビ鑑賞) 2003年10月05日 座頭市 (2003)(初) 北野映画は初めて見る。同行した友人は「今までの北野作品の中では、一番見る側が楽しめる配慮がされていて面白かったよ」と言う。なるほど迫力のある殺陣ありギャグありダンスありの大エンターテイメント時代劇だ。外国でもウケそうな感じはする。 私は勝新太郎の座頭市をほとんど知らなく、他人がやる勝新の物真似の方をたくさん見たくらいだ。 そんなわけだから金髪の座頭市だって違和感なし。北野武の演技にも全然違和感なし。小気味よい展開で面白かった。俳優さんたちのキャラクターもよく引き出されていると思ったし、座頭市自身、とても魅力的だ。音楽は鈴木慶一というロックミュージシャン。以前からファンだ。 エンターテイメントな時代劇というと、どうしても用心棒、椿三十郎を連想する。 どちらが面白いのか、と聞かれたら「ちょっと待ってよ。あのさあ、黒澤作品っていうのは娯楽作品といっても次元が違うのよ。脚本、演出はもとより、役者や美術や衣装や、そういうものが完璧に作り込まれていて・・・もう全然違うの!」と私は言うだろう。しかし現代の、特に若い人が「どっちが面白い?」と聞かれたら「黒澤作品?うーん、いい映画なんだろうけど・・・僕は北野武のほうが面白い」と答えられそうな気がして考えるのがいやだ。 2003年09月28日 幻の湖 (1982)(初) 遂に見てしまった琵琶湖観光マラソン映画。 すごいなあ!画期的だなあ! 思いっきり怪しい外人女スパイ。敵か見方かかたせ梨乃。笛を吹く宇宙パルサー研究員。無人島だとばかり思っていたら反対側には人が住んでいたので泣く女。鯉の活き作りをする場所を探した作曲家・・・ああ、なんて素晴らしいんだろう! 「勝った、あたしが勝ったのよ!」マラソンに勝って恨みは吹き飛んでしまったのかと思った瞬間、ブスリ!血がドバーッ!先が読めない度肝をぬくストーリー。 しかし琵琶湖上空に浮かぶ笛の動きだけは納得できない。 でも結構楽しめたので星二つ。(テレビ鑑賞) 2003年06月28日 トリック-劇場版- (2002)(初) 神に救いを求める村に4人の自称、神が現れる。神001から神004だ。どうやって本物の神かを判断するのかというと、それぞれに手品をやってもらう。そこはくだらなくて面白い。そして手品の種明かしの説明もやってくれる「手品解説映画」だ。それも面白い。 私の娘はこの映画がすごく面白いと言う。劇場で見て、さらにDVDまで買ってきたのだからよほど面白いのだろう。映画は他人が何と言おうと自分が面白ければそれでいいから別にかまわない。 この映画のギャグはわりと最近の漫画やアニメのなかに見られる種類のものだ。たとえば漫画で登場人物のセリフを吹き出しの中に活字で入れるのとは別に、小さい手書きの文字でギャグを書き込んだりするのをよく見かける。わかるでしょうか?この映画にはそういう種類のギャグがものすごくたくさん出てくる。そこが好きと嫌いの分かれ道だ。私はちょっと苦手だ。でも少し面白いと思ってしまうこともあったので反省している。アニメではなく実写の映画でそれに挑戦したのは偉いのかもしれない。 私の娘はいい歳をして漫画が大好きだ。ところで私もさらにいい歳をして漫画が大好きなのだけど。 出演者では神003の石橋蓮司と長老の伊武雅刀がよかった。(テレビ鑑賞) 2003年02月20日 レッドドラゴン (2003)(初) 「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に続いてアンソニー・ホプキンスのレクターシリーズの三作目になるのだが、話としては「羊たちの沈黙」の前に位置する作品。いまひとつ地味でレクターは危険な奴、というのも「羊たちの沈黙」ほどには伝わってこない。レクターの脱出劇もなし。最後で監獄に入っているレクターに「FBIの女性捜査官が面会に来てるぞ」と告げられ「羊たちの沈黙」へと続くのがかっこよくて機嫌よく映画館を出られる。 2003年01月05日 マイノリティーリポート (2002)(初) 友人がこの作品を鑑賞した時に私にくれたメールがあるのでここにペーストし、代弁してもらうことにします。(書くのが面倒なので横着します) 「『マイノリティリポート』を観ました。特撮が賑やかな二流サスペンス映画って感じでどうってこともない映画でしたよ。もしもリドリー・スコットが撮れば超リアルで渋い味わいのある作風に仕上がったのでは?と勝手に思いました。スピルバーグだとやはり遊園地感覚というかバカバカしさが鼻につきます。どうせ馬鹿らしくなるのならばバーホーベンに撮らせた方が徹底的な娯楽SFの決定版になったかも?とこれまた勝手な想像もしてしまいました。まぁガッカリするほどの駄作でもないですけどね。スピルバーグは次回作の方が楽しみです。 ちなみに『ブレ・ラン』や『LAコンフィデンシャル』を観た記憶は置いておいた方が良いと思います。あっ!よけいな事を言ってしまいました。すいません忘れてください。」 メールは以上です。私もそう感じました。 車(レクサス。トヨタの高級車のアメリカでのブランド)がかっこよかったです。前後逆のような形で。GAPは今とあんまり変わらないようです。 2002年11月19日 サイン (2002)(初) アメリカにこんな暗い子供がいるのか、と思ってしまうほど暗ーい少年、少女が出てくる。しかし「シックス・センス」を作った監督と聞いて納得。 宇宙人が家の中に入ってこないようにメル・ギブソンらが家の内側からドアや窓を釘で打ちつける。全部打ちつけ終わってから愛犬を家の中に入れるのを忘れていたことに気付き「しまった!」と言う。これって台風とかが来るというので外から全部釘で打ちつけて「しまった、どこから入ればいいんだ!」に匹敵するギャグだ。 2002年05月19日 フィールド・オブ・ドリームス (1990)(3回目くらい) ★★★★★ 父子でキャッチボールというのは男の共通のよい思い出でなのだろう。「異人たちとの夏」もそうだった。私はその経験がないのが残念。 2002年04月10日 三大怪獣地球最大の決戦 (1964)(10回目くらい) DVDにて鑑賞。オーディオ・コメンタリーで若林映子さんが解説している。特撮映画の本編に出演している俳優さんは(特に女優さんは)特撮などには興味がないだろうと考えていたが、若林さんは特撮にとても興味を示しているので驚いた。本編の撮影の合間にも、裏方さんの仕事を見ているのが好きだという。「どうやって撮ったのか」「どうやって動かしているのか」など、金星人は盛んに地球人の聞き手の方(佐藤利明氏)から聞き出そうとしていた。 2002年04月07日 助太刀屋助六 (2002)(初) 岡本喜八監督作品。大作を狙ったものではなく、上映時間も90分のほどよい作品という感じで気軽に楽しめる。佐藤允、天本英世、小林桂樹なども出演。見終わったら田村奈巳も出ていたと書いてあるが、どれがそうなのか分からなかった。 2001年暮れから2002年にかけて見た映画をまとめて。 大冒険(3回目) 私はこういう大スケールの話より、サラリーマンの植木さんがでっかいようでなんだかセコく、ブワーッってやるのが好き。大冒険は良くいえば勢いがあるのだろうけど、荒い作りという感じもする。 007は二度死ぬ(3回目) 超デラックスな東宝映画のよう。 クレージー黄金作戦(3回目) 博士の異常な愛情(2回目) 最初の空中給油をしているシーンがやたら好きでそこだけなら30回くらい見た。 独立愚連隊(初) 結婚のすべて(初) 冒頭のいきなりのキスシーンだとかが、やたらかっこいい。 ピーウィーの大冒険(初) 2002年01月14日 座頭市と用心棒 (1970)(初) 座頭市シリーズに用心棒の三船がゲストで出演、という映画。岡本喜八監督といえども、もうそこからして 座頭市のペースに巻き込まれてしまっていて、これはこれで面白いけど黒沢の三船とはやはり大分ちがう。「用心棒」「椿三十郎」での三十郎は策をめぐらすための方便での卑しさはあったけど、この作品では心底、卑しい。 2001年12月24日 海底軍艦(1963)(5回目くらい)(劇場鑑賞) 以前にテレビ放映されたのを録画して何度も見たが、なぜかテープが見あたらなくなってしまい、10年ぶりくらいに見る。それもスクリーンで。旧日本海軍の手によって地下の秘密基地で建造された海底軍艦轟天号の勇姿には、最近轟天号のプラモデルを作ったせいもあるだろうが、なんだかすごく胸がときめく。物語がとてもおもしろい。 2001年12月12日 世界大戦争(1961)(2回目) 第三次世界大戦の勃発をフランキー堺が演ずる、平凡で平和な運転手の家庭を通して描かれる。 いつもの東宝特撮ものとは大分、風合いがちがう。実際にあった戦争ではないからいわゆる戦争映画ではないし、SFともいわないだろう。いろいろな意味で時代が感じられた。(テレビ鑑賞) 2001年11月18日 恋におちたジョージ・ルーカス(1999)(初) 劇場公開をしたことがあるかどうか分からないし、わずか9分のショートフィルムなので「映画」ではないかもしれないが、とても面白かった。 ジョージ・ルーカスの母校であるUSCの卒業生ら(それも卒業してまだ3年目の若い人たち)が作ったスターウォーズのパロディー。 ショートフィルムというと、とかくチープであったり、いたずらに難解であったりとするものも多いように思うが、さすがアメリカの商業主義映画をめざす若い人たち、最低限のクオリティー(物理的な画質、音質に加え、役者、衣装、小道具、そして演出技法など)を確保しなければ他人に見せる映画とはいえず、言いたいことがあればそれはその後だ、という考えが根本にあると思う。限られた予算があり(それでも何百万円かはかかっていると思う)その中で最低限のクオリティーを確保して何ができるか挑戦したら9分の作品になった、ということだろう。内容もさることながら、そういうところがすばらしいと思う。(テレビ鑑賞) 2001年11月17日 ハンニバル(2001)(初) さて次はその続編になる「ハンニバル」。 「ハンニバル」の監督は大好きな「エイリアン」「ブレードランナー」「ブラックレイン」のリドリー・スコット。良くも悪くもリドリー・スコット臭が強くて「羊たちの沈黙」の正統な続編というにはかなり異質。 これも恐い。気持ち悪い。「羊たちの沈黙」より恐いかもしれない。しかしその質がかなり違うように思う。 正直言って心理的な恐怖の描写では「羊たちの沈黙」の方が数段すぐれていると思った。「羊たちの沈黙」でのレクターは本当に恐くて危険な人間だ。 そして奥さんによると「羊たちの沈黙」も「ハンニバル」も原作を読む方がさらに数段おもしろいと言う。 もうひとつ余計なこと。知り合いが教えてくれたのだけれど、「ハンニバル」にはなんとオサマ・ビンラディンが出ている! 本物です。 2001年11月15日 羊たちの沈黙(1991)(初) ハンニバルというのが評判なので見てみようかと思い、しかしそれにはその前作となるらしい本編をということで見る。 なるほどこれも評判になっただけのことはあるわい、と感心する。おもしろかった。 田舎娘のジョディー・フォスターがよかった。 2001年10月05日 異人たちとの夏(1988)(3回目くらい) 原作・山田太一 脚色・市川森一 監督・大林宣彦 出演・秋吉久美子、片岡鶴太郎、風間杜夫 ある疲れた脚本家が気晴らしに生まれ育った地である浅草の寄席へ入る。その客の中に28年前、事故で母と共に死んだはずの父親がいる。28年前と同じ若いままの姿で。信じられない気持ちで父について当時のアパートに行くと、そこにはなつかしい母までも。 怪奇とかホラーではなくて「怪談」といってほしい作品です。 浅草の今半(すきやき屋)でのくだりは特に胸にせまります。 全くの余談ですが、今半はたしか若大将の実家、田能久のモデルになった店で、ロケにも使われているのではなかったかなあ。この作品で今半の主人が江原達怡さんと中真千子さんだったら最高だったのに。そうもいかないか。そのかわりというわけではないけど、われらが本多猪四郎監督がうなぎ屋のオヤジとして一瞬出演しています。しかし本多監督、うなぎ屋のオヤジには見えなかった。 誰かが「お墓参りに行きたくなる映画」と言っていたけど、ほんと、そう思います。 ちなみに外国映画で「お墓参りに行きたくなる映画」に「フィールド・オブ・ドリームス」がありますね。 2001年08月08日 猿の惑星(2001)(初)(劇場鑑賞) チャールトン・ヘストン主演の旧作が大傑作だったのでティム・バートンが挑戦するからには何か奇策があるんだろう、と期待してはダメ。もし旧作の「猿の惑星」を見ていないのなら、見ないままこの「猿の惑星」を見た方がいい。 リック・ベーカーの特殊メイクは旧作の頃からは当然、格段の進歩だった。猿の種類、個体の顔の違いなどがよくできていた。 ここから先は映画をまだ見てない人は読まないでください。 最後にリンカーン像のところに着陸して、取り巻いた警官たちの顔が猿だったのだけれども、「あれ、ブタだったら面白かったのにね。『こんどはブタかよ』ってね」と、私の奥さんが言っていた。 2001年02月09日 どら平太(2000)(初) 黒澤明の脚本(または参加している)の時代劇ということで「雨あがる」と比べられることが多いと思うけど、「雨あがる」は黒澤さんの遺志を実現しようとしたスタッフの努力に感動し、「どら平太」は大ベテラン巨匠の市川崑監督の余裕が感じらる、キャッチフレーズどおりの痛快、愉快、豪快作品だった。 私は市川監督の作品は「金田一耕助シリーズ」と「東京オリンピック」しか知らないのですが、テンポのいいカット割りや美しい色彩、独特の演技、独特のユーモアがとっても市川崑だった。 そして主演の役所広司という人も私はいままで「失楽園」しか知らなかったのだけれども、すごくいいキャラクターで感心した。(この前、テレビで「Shall we ダンス?」をやっていて、途中から見たら、すごく面白そうだったので、このまま最後まで見てしまったらもったいないと思ってやめました。今度ゆっくり見るのが楽しみ) 2001年02月07日 プリティー・リーグ(1992)(5回目くらい) 1940年代のアメリカに実際に存在した女子プロ野球リーグの話。 最後の10分がこの映画のキモ。 この映画の女流監督はこの部分が作りたいが為に全編を作ったのだと思う。(テレビ鑑賞) 2001年01月24日 猿の惑星(1968)(7回目くらい) 「猿の惑星」は1作目が大ヒットして、その後、「続・猿の惑星」「猿の惑星・純情編」「猿の惑星・ハイビスカスの花」「猿の惑星・南海の大決闘」「猿の惑星・ぶちゃむくれ大作戦」(ウソ言うなー)の合計5作も作られた。 しかし第1作目だけが大傑作。 昔は何度もテレビ放映されて、中村メイ子や熊倉一雄の吹き替えの方が私にとってはオリジナルという感じ。 やっぱりSF映画の大傑作ですよね。 今度、ティム・バートン監督でリメイクされるという話をきいたけど、どうなんですかねえ。 2001年01月22日 若い季節・続若い季節(1962・1964)(5回目くらい) NHKのテレビドラマの映画化なのだけれども、私はほとんど覚えていないので、全く違和感なく東宝映画、として楽しめる。一作目はクレージーや坂本九、続は中尾ミエ、伊東ゆかり、園まりの三人娘が主役で、ナベプロ色の強い作品。(テレビ鑑賞) 2001年01月04日 めまい(1958)(初) ストーリーが先が読めなくて、とてもおもしろかった。今まで見たヒッチコックのなかで一番おもしろいと思った。 以前、「マルタの鷹」を見たときに、大好きなサンフランシスコの街の風景が全然見られなくてがっかりしたことを書いたが、今度はばっちり良い時代のサンフランシスコの風景が楽しめた。(テレビ鑑賞) 2000年12月6日 エレキの若大将(1965)(10回目くらい) 若大将が使っているエレキギターを調べる必要があって見た。 若大将シリーズも6作目のこの作品までが特におもしろいです。中でもこの「エレキの若大将」はエレキ好きの私にはたまりません。 エレキ好きといってもベンチャーズとかを聴くのが好きなだけで、ギターを弾くのは全然うまくないのですが。 そんなわけで今日は「エレキの若大将」におけるエレキギターについて自慢げに書いてみたいと思います。(まちがってたらすみません) 日本でエレキブームが巻き起こったのは1963年くらいからです。ベンチャーズというアメリカのインストバンドが火付け役で、数々のヒットを飛ばしました。(パイプラインであるとか、十番街の殺人であるとか。いわゆる「テケテケテケテケ」というやつ) 日本中の中、高校生くらいの少年はその「テケテケテケテケ」にシビれてしまって、自分たちでベンチャーズのコピーバンドを作りました。楽器は高いのは買えないので、勿論国産品です。ブーム初期の代表的な日本のメーカーとして、グヤトーン、テスコという2大メーカーがありました。私は赤いグヤトーンでした。 話はそれますが、日本のミュージシャンで1950年前後生まれの人が多いのは、(たとえば吉田拓郎などのフォークの人達、細野晴臣などを中心にする、当時ニューミュージック系と呼ばれた人達、それとGSなども)この第1次バンドブームに青春時代をすごした世代だということと無関係ではありません。 さて「エレキの若大将」では、どうもテスコとタイアップしていたようで、随所にテスコのギターが出てきます。(「テスコ」と呼ぶのが一般的と思うのですが劇中では何故か「テイスコ」と言っています)たとえば雄一が家で弾いていたり、青大将たちとヤングビーツというバンドを組んで「ゴーゴーエレキ合戦」に出場した時のメンバーのギター、ベースは全部テスコです。 女の子バンドの「アイビーシスターズ」(この中でドラムと叩いているのが、加山雄三の現夫人、松本めぐみ)や、ライバルのジェリー藤尾率いる「シャークス」のギターも全部テスコです。「テイスコのギター」というセリフまで出てきます。 前後しますが、「エレキの若大将」の最初のタイトルシーンで加山が弾いているギターはヤマハ製です。SG-7とヤツです。黒く見えますが実はメタリックのダークグリーンです。 トップメーカー、ヤマハが満を持してエレキギターに参入したのは「エレキの若大将」が製作された1965年くらいだと思います。さすがに高品質で、「寺内タケシとブルージーンズ」「ワイルドワンズ」などのプロにも使われました。「コンコン」という感じの硬い音が特徴だと思います。 「ワイルドワンズ」のリーダー加瀬邦彦はブルージーンズ出身で、ヒット曲「想い出の渚」ではSG-12Aという12弦モデルを弾いています。イントロと間奏のあの音がそうです。 そして雄一がプロになって寺内タケシ達と弾いているギターはアメリカ製のモズライトというヤツです。(1964年モデル。色はパールホワイト。音はいかにも出力が高そうな厚みと歪み感が特徴) モズライトは当時ベンチャーズが使っていたギターで、加山雄三はベンチャーズの1965年日本公演時にプレゼントされたように覚えています。 (澄ちゃんが仕事をしているレコード店には「KNOCK ME OUT」「VENTURES IN JAPAN」といったベンチャーズの名盤が飾られているのも見えて、時代がよくあらわれている) 加山雄三は現在も明るいブルーのモズライトをハイパーランチャーズという自分のバンドで元気に弾いています。 ベンチャーズもまだ存続していて、今でもたまに日本公演をしています。(しかしリードギターのノーキー・エドワーズは脱退、ドラムのメル・テーラーは他界、息子がドラムを担当。ギターはなぜかモズライトではなくフェンダーなどを使っている) このように、「エレキの若大将」の中で、雄一はヤマハ、テスコ、モズライトの3本のギターを使っているというわけです。 おっと、忘れちゃいけないのが湖畔で澄ちゃんに聞かせる、あの「君といつまでも」です。正式にレコードとして発表された「君といつまでも」とはちょっとメロディーが違う部分(「変わらないいつまでも」の部分)があって興味深いです。 この時、雄一が弾くのはアコースティックギターで、よく見るとヘッドにテスコのマークが見えます。(テレビ鑑賞) 2000年12月6日 ロストワールド/ジュラシックパーク(1997)(初) 1作目より恐竜が出るシーンが多くて楽しめたけど、やっぱり1作目のほうが面白かったかなあ。 この2作目のいいところは、島の自然の中だけではなくて、サンディエゴの町中でTレックスが暴れるシーンがあるところ。やっぱり怪獣(?)は町中で暴れなくっちゃあ。 で、博士は恐竜の生態の研究もいいけど、やっつける新兵器を発明しなきゃだめだな。 2000年11月17日 宇宙大戦争(1959)(3回目くらい) 冒頭、宇宙ステーションが映し出され画面に「1965年」と説明が出るのに今見ると驚かされる。 製作された年より6年未来の話なのだけれども、地球の文明はそこまで早くは進まなかった。 もう来年は21世紀なんですねえ。すごく未来だと思っていた「2001年宇宙の旅」の年が現実に来ちゃいました。 僕が小学生の頃(オーマイガーッ!40年も昔だぜ)にマンガ雑誌などで予想していた21世紀には、自動車にはタイヤなんか付いてなくて、宙を浮いて走っているはずでした。 世の中って、加速度的な早さで進歩しているように言われるけど、実際、そうでもないような気もします。技術的には可能でも、そうそう変われるものでもないんですね。 しかし1959年製作の「宇宙大戦争」はさすがに時代を感じさせるが、6年経つと世界はすごく進歩するんだ、という当時の期待がこめられているようで興味深いです。 同じ頃に作られた「地球防衛軍」と比べると、どうもこちらの方が地味な印象です。(テレビ鑑賞) 2000年11月4日 男はつらいよ・純情篇(1971)(5回目くらい) マドンナには若尾文子。 私にとって実はこれはどうでもよくて、(実際、トラさんと若尾文子の恋騒動は、シリーズのなかではあまりできのよいほうではない気がする)それより、サイドストーリーである森繁久弥と、その娘、宮本信子のほうが断然よい。涙なくしては見られない。その部分だけで私のトラさんシリーズ、ベストワンだ。森繁など、あの社長シリーズと同一人物とは思えない。 トラさんシリーズには、どの作品にも必ず、柴又であるとか、トラさんの滞在する地方であるとかの町の夕暮れ時の哀愁たっぷりの風景が山田監督一流のセンスで挿入される。私はそれが大好きで、たとえばこの作品だと、例によって失恋したトラさんが旅に出ようと京成電車の帝釈天の駅に行くと妹のさくらも付いてきて「どうしても行っちゃうの?お正月までゆっくいしていけばいいじゃない」などと駅のホームで話している。やがて電車に乗り込んだトラさんは電車のドアが閉まる直前に「故郷ってやつはよぉ…」と言いかけるとドアが閉まって電車は行ってしまう。さくらは「え?何?何て言ったの?」と言ってももう聞こえない。泣きながらホームの端で見送っている。 トラさんが何を言おうとしたのかわからないけど、こういうシーンがいい。 それとか、冬の夜、とらやの外は木枯らしが吹いていて、遠くから消防車のサイレンがかすかに聞こえる、なんていう情景もいいです。 男はつらいよシリーズは、最も後期を除いて、一年に夏、冬の二本が製作されましたが、そういう哀愁シーンは絶対、冬のほうが似合うので、私は断然冬のトラさんの方が好きです。(テレビ鑑賞) 2000年10月20日 雨あがる(2000)(初) 黒澤明の遺稿を黒澤監督ゆかりのスタッフらが結集して完成させた黒澤明のいない黒澤作品。 専門家筋の評価はどうなのか知らないけど、黒澤云々は別として、とてもいい映画でした。感動しました。 見る前に出演者名を見て、寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、原田美枝子、檀ふみ、仲代達矢……かあ。黒澤監督ならたとえば所ジョージであるとかピーターであるとか、もっと意表をつく人をもってくるのに、どうも地味で華(はな)がない気がするけど、と感じましたが、それは全く杞憂でした。 めちゃめちゃ腕は立つが腰が低く人当たりのいい浪人の寺尾聰。ことば少ななその妻の宮崎美子。少しわがままだけれども物事の善悪はわきまえていて、けっしてバカ殿ではない殿様に三船史郎。三船史郎の演技?そんなこと、全然許せちゃいます。 私は夜鷹を演ずる原田美枝子が特に印象にのこりました。 川止めで旅人たちが足止めをくらう安宿の緻密なセットや、着古したリアルな衣装などに、ああ、黒澤映画だなあ、と感じます。 とてもいい映画と思いました。 2000年10月17日 男はつらいよ・寅次郎夢枕(1972)(3回目くらい) 男はつらいよの中で寅次郎夢枕はわりと好きなほう。あの「ガス人間第1号」の八千草薫がマドンナ。(あの「ガス人間第1号」の八千草薫とは普通言いませんが) オイちゃんは松村達雄で、オイちゃんの中で一番好きかもしれません。 大学教授の米倉斉加年がおかしい。 2000年10月16日 男はつらいよ・葛飾立志篇(1975)(2回目くらい) マドンナは樫山文枝。大学教授の役を小林桂樹が演じているのだけれども、東宝ファンだから言うのではなくてすっごくいい。 そういえば男はつらいよシリーズには森繁、三船、志村喬など、東宝の大物もけっこう出ている。 2000年10月11日 真夜中のカーボーイ(1969)(2回目) 「イージーライダー」「俺たちに明日はない」ときてアメリカン・ニュー・シネマといわれる映画の3本目の鑑賞。これが私は一番おもしろかった。 テキサスの田舎から都会を夢見て長距離バスに乗ってニューヨークにやってきた若者が、遊び人のようなペテン師のようなホームレスのようなダスティン・ホフマンと知り合い、どん底の生活をおくって・・・。 悲しい話で全然ハッピーエンドではないのだけれども、あと味は悪くなくて好きです。 2000年10月11日 俺たちに明日はない(1967)(2回目) ストーリーがおもしろいので退屈しないで見れた。フェイ・ダナウェイが魅力的。 2000年10月8日 イージーライダー(1970)(初) 自由に生きようとすると結局は不自由になってしまう現実。それは何がいけないのか、という映画だと思う。 おもしろかったのかと言われたら、正直あまりそう感じることができませんでした。 2000年10月2日 マルタの鷹(1962)(初) ハンフリー・ボガートという人の名前は知っていたけど出ている映画は見たことがなくて、昔のハードボイルドとはどんなものなんだろう、と思って見た。 サンフランシスコの私立探偵の話ということで、当時のサンフランシスコの街を見るのも楽しみにしていたのだけれど、室内のシーンがほとんどで、屋外ロケはほとんど皆無。 やっぱり以前からのボギーファンとかハードボイルドファンでもない私には無理でした。でもこんどは「カサブランカ」に挑戦したいと思っています。 2000年9月9日 椿三十郎(1962)(10回目くらい) 荻窪東宝の中に「椿三十郎掲示板」というのを作った。普通の文章を入力すると椿三十郎がしゃべった風に変換されるというくだらないもので、その変換辞書を作るためには作品を見るに越したことはないと思い、三十郎の言葉づかいに注意しながら見るはずだった。しかしそんなことつい忘れて見入ってしまった。(「椿三十郎掲示板」は現在休止中) なにしろ面白い。面白いということでは黒澤作品の中でもピカイチだ。一番娯楽色の強い作品だろう。1時間36分という短さも好きだ。「用心棒」の方が評価されることが多いような気がするが、私は正直、椿三十郎の方がいい。 (ちなみに私の黒澤作品ベスト3は「椿三十郎」「天国と地獄」「野良犬」です) 「用心棒」の桑畑三十郎と椿三十郎は同一人物なのだろうか。そうでないにしてもキャラクターは違わないだろう。それなら椿三十郎の方が愛すべき三十郎がより感じられる。 普通、泣けるシーンではないのだろうが、ラスト近くで、三十郎が城代家老(伊藤雄之助)の屋敷から去ってしまったのがわかると、奥方(入江たか子)が「みなさん、手分けして呼び戻してください」というシーンと、仲代との決闘の後、加山ら9人の若侍らが追おうとすると三十郎に「来るな!ついてきやがるとタタッ斬るぞ!」と言われ、9人の若侍らは黙って地面にすわり頭を下げるシーンはいつも涙ぐんでしまう。 そして三十郎の「あばよ!」で映画が終わると、もう拍手喝采です! 余談ですが、私の友人がその友人に「椿三十郎」を見せたら、伊藤雄之助を知らないその人は、伊藤雄之助の長い顔は特殊メイクだと思ったというのには笑ってしまった。 2000年4月23日 アイズ・ワイド・シャット(1999)(初) 「さあ、今日はお父さんがとても良いビデオを借りてきたぞ。『2001年宇宙の旅』という名作を撮ったスタンリー・キューブリックという監督さんが作った作品だ。きっと素晴らしい作品だぞ。さあ、かあさんも子供達もテレビの前に集まりなさい。家庭映画鑑賞会を始めるぞ。」 などと言って見始めると、びっくりして全員ひっくりかえってしまうようなシーンもあるけれど、流石はキューブリック、どんなジャンルの作品を作っても、ものすごい格調の高さだ。 ストーリー的には後になってよく考えると、ただの乱行パーティーに紛れ込んだ、というだけの話なのに、主人公の身になってドキドキ恐ろしい思いをする。 2000年3月6日 オースチン・パワーズ(1997)(初) オースチン・パワーズ・デラックス(1999)(初) 途中まで見て次の日にまた続きを見たりしながら2本見たので、ゴッチャになってしまったけど、1作目の方がやや小技がきいていたような気がする。 面白いです。一人で声を出して大笑いしたなんて久しぶり。 全然予備知識なしで見たのだが、映画の本編が終わってスタッフや出演者のクレジットをぼんやり見ていたら、世界征服を企むボス、ドクター・エイブルを演じる役者(この人が主役のマイク・マイヤーズにもまして面白いと思った)の名前を見てびっくり! えーっ!ちょっと待ってよ!ウソでしょー! これって常識なんですか? いやー、しかし。 イエー、ベイビー、イエーッ! 2000年3月2日 007 ムーンレイカー(1979)(初) 007シリーズの格調みたいなのが荒唐無稽のなかにもあって、なかなかよい。とてもゴージャスな気分になれる。 特撮はノーCGで、私にはこのほうが肌に合う。スペースシャトルの発射基地や宇宙シーンなどは実に東宝チックで、「地球防衛軍」や「海底軍艦」を彷彿とさせる。一般風潮としては歓迎すべきことではないのだろうが。 2000年2月28日 アルマゲドン(1998)(初) 小惑星が地球に衝突しそうなので、それを回避しようとする話。 前回書いた「トキワ荘の青春」の30倍くらいのカット数があるのじゃないのか、と思うくらいの早いテンポで笑わせようとしたり感動させようとしたりしてストーリーはガンガン進んでいく。しかし展開が現実っぽくないので、見ているわたしの心はどんどん冷めていく。もちろん感動はない。 メカのデザインに必然性がなく、やたらと子供っぽい。 惑星に着陸したブルース・ウィリスらは100回くらい死んでもおかしくないような危険な目にあい、結局いろいろあって、ブルース・ウィリス一人が犠牲になって惑星にのこり、核爆弾のスイッチを押すことになるのだが、ちょっとしたアクシデントがあってなかなか押せない。地球の司令室では早く押せ早く押せ、とせかす。時間ぎりぎりでスイッチが押せてブルース・ウィリスともども惑星が大爆発すると、司令室は自分たちが助かったものだから歓声と拍手の嵐。これって国民性? 「妖星ゴラス」(東宝作品)のほうが200倍おもしろい。 2000年2月26日 トキワ荘の青春(1996)(5回目くらい) 市川準監督、本木雅弘主演のこの映画は大好きだ。 昭和30年代ころ、トキワ荘というアパートには漫画家たちが多く住んでいた。手塚治虫、寺田ヒロオ、赤塚不二夫、藤子不二雄、石森章太郎らだ。手塚治虫が大御所になりつつあり、他のトキワ荘漫画家たちがこれから売れっ子になっていく、といった頃を実話をもとに映画化されたもので、登場人物も実名で出てくる。 この登場人物の俳優さん達がまた、実に漫画家本人に似ているので感心させられる。つのだじろうなんて、笑っちゃうくらい似ている。 私はどうも、こういう「実話をもとに」というのが大好きだ。よくできた作り物というのが大好きだからだ。 この映画はすごーーく坦々としている。なにげない動作を長いカットでじっくり見せる。興味のない人はすぐに寝てしまうだろう。私は全然退屈しない。なにげない動作の長いカットがすごくいいからだ。 この映画のテーマは「良いものと良くないもの」「売れるものと売れないもの」だ。 本木(寺田ヒロオ)が「売れるからといってそういうもの(自分の意にそぐわないもの)ばかり描くのはよくないよ」という。しかし時代の求めているものは自分のやりたいこととは違う。それがテーマだ。 映画もまた然りで、この映画自身でそれを言っているような気もした。 1999年12月7日 L.A.コンフィデンシャル(1997)(初) 「この映画は面白いよ」という前評判をきいていたが、予想以上だった。 1950年代のロサンゼルス市警の刑事たちの物語。 新警部補エドは自分の出世のためなら仲間も売るインテリ刑事。もちろん同僚からは嫌われている。普通なら観客にとってもイヤなヤツにしか見えないはずなのだが、そうでないところにまず感心。 映画はやっぱりストーリーだ。グイグイ引き込まれて感動とクライマックス、そして納得のエンディング。 1999年11月19日 タクシー・ドライバー(1976)(初) 監督マーチン・スコセッシ、主演ロバート・デニーロ この映画はガツンとくる面白さ、凄さだ。 一見、無気力にも見える主人公と、けだるい音楽、ニューヨークの裏通り。 ああ、かっこいい! 1999年11月17日 シックス・センス(1999)(初)(劇場鑑賞) ブルース・ウィリス主演のホラーもの。 私の妹が「すっごく面白かったから見ておいでよ」というので娘と二人で期待して見てきた。 この映画というのは見終わった時、楽しめた人と、そうではなかった人の2種類にはっきり分かれてしまう。(なぜかは、もうごらんになった方はわかると思うが) 残念ながら私は後者だった。後者にとっては、ただのなんだか陰気な映画。 1999年11月6日 日本一の若大将(1962)(5回目位)(上映会鑑賞) 久々にスクリーンで見た若大将。上映会で遭遇したアッと驚く出来事とは? 「荻窪東宝支配人室」でゆっくりお話しします。 ★が五つじゃ足りないな。 1999年10月27日 スターウォーズ・エピソード1(1999)(初)(劇場鑑賞) ロードショーがあさってまでというので、やっと今日見てきた。 自分達が住んでいる地球とは全然別の世界の生物や文明には、こんなのもあるかもしれないね、というアイディアを楽しませてくれるのが僕にとってのスターウォーズシリーズだ。だからストーリーなんてどうでもいい。ルークの父親が誰だとか、ダークサイドがどうしたとか、そんなこと全然興味がないけど、第1作公開当時はそれで十分楽しませてもらった。 20年経った今はどうか。やっぱり当時ほど夢中になれないのは確か。悲しむべきことなのだろうな。 今回のもいろいろなクリーチャーやロボットや乗り物がたくさん出てきて全然退屈しない。 でも、明日になれば忘れちゃいそうな気もする。 しかし、20世紀FOXのスタート画面から暗転して、A long long time ago.....に続き、スターウォーズのロゴが遠ざかっていくのと同時にスターウォーズのテーマが聞こえてくるいつもと同じオープニングを見ると、なぜかドキドキしてしまうのは、このオープニングで僕がパブロフの犬になってしまっているんだろう。 パブロフの犬=犬にエサを与える時いつも鐘をならしていると、鐘の音を聞いただけで犬はヨダレを流すようになるという実験 1999年10月25日 レインマン(1988)(3回目位) ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが主演。重度の自閉症の兄と弟が遺産相続をめぐり幼児の時以来、初めて顔を会わす。お金だけのつながりだった兄弟に、心のつながりが生まれてくる。という話。 私は感動してしまった。暗記力に特殊な才能を持つ兄のエピソードや、それを演じるダスティン・ホフマンの演技、美しいアメリカの田舎町の風景、ハンス・ジマーの音楽。退屈しているヒマがない。 1999年10月15日 月給泥棒(1962)(2回目) 岡本喜八監督作品。この映画はすごく面白い。 岡本監督というとアクションもので知られているが、こういったサラリーマンものというか、たんたんとした作品のほうがむしろ岡本喜八のらしさが出ていると思う。「江分利満氏の優雅な生活」もそうだし。 岡本演出は斬新、小粋、という感じだ。見ていて思わず「ウマイッ」と声をだしてしまう。音楽もいいし、使い方が実におしゃれ。 司葉子は日本のオードリー・ヘップバーンだ。 1999年10月13日 ベスト・フレンズ・ウェディング(1997)(初) ジュリア・ロバーツ扮する女がどう考えても悪い。 1999年10月9日 クレージー作戦 くたばれ!無責任(1963)(2回目位) ★★★☆☆ 新開発のハッスルコーラを飲むと、しょぼくれた植木等が例のハッスル社員に変身するところが面白かった。 変身した時、植木が「何だか知らぬが天下取った気分だよー」と歌うが、私はこの歌を中校生の頃(35年前)から口ずさんでいて、今まで自分が適当に作った歌だと思いこんでいて、変な歌を作ったものだと恥ずかしく思っていたら、実はこの映画に登場する歌だったので、びっくりした。 クレージー作戦シリーズは植木等の映画ではなく、あくまでもクレージーキャッツの映画。7人登場させなければならないから、ストーリーやキャスティングに無理がかかる。 植木等の持ち味というのならやはり、「日本一の〜男」、「ニッポン無責任〜」シリーズのほうがたっぷり味わえる。 山茶花究はどんな映画に出てもさりげなく光ってるなあ。 1999年10月2日 キングコング対ゴジラ(1962)(2回目位) 最初から全部通して見たのは、公開当時に映画館で見たのを入れて、実はまだ2回目です。あとは断片的にビデオで見たことは何度かありますが。 有島一郎と高島忠夫の二人の洋風な芸風がこの映画の味を決めています。 ゴジラはただ出てくるだけ、といった感じで、なんて憎らしいヤツなんだとか、けっこうかわいいヤツとかいった描写が薄いのがものたりません。 私は同じ「対モノ」なら、モスラ対ゴジラの妖しい雰囲気のほうが何度も見た親しみがあるせいか、好きです。 特撮では、東北本線の沿線にゴジラが現われて、その近くを自衛隊のヘリコプターがあかりを灯して飛んでいる夜のシーンが美しかったです。この作品に限らず円谷特撮は、夜、夕暮れ、明け方、といった時間帯にこだわりを見せていて、独特の哀愁に満ちた美しさを見せてくれます。ボロを出にくいという意味があるのかもしれませんが。 |
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