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アルプスの若大将 (1966)監督・古澤憲吾


開始より0:17(イタリア・ローマ・コロッセオ)

京南大学工学部建築科の田沼雄一(加山雄三)は建築学の論文が欧州の学会で評価されてヨーロッパ旅行に招待される。
スイスで知り合ったパン・アメリカン航空の社員、澄子(星由里子)とローマでの市内観光デートのシーン。
巡礼写真は「アルプスの若大将」のワンカットを検証する目的で撮影されたものではないので、撮影位置は多少異なる。
ローマの古代遺跡にとって40年の隔たりなど一瞬に等しい。



(撮影・河合麻子 2005)

開始より0:17(イタリア・ローマ・スペイン広場)



(撮影・河合麻子 2005)

開始より0:18(イタリア・ローマ・トレビの泉)



(撮影・河合麻子 2005)




開始より0:25(東京都港区芝公園3丁目・東京プリンスホテル前)

石山(田中邦衛)とパリで知り合った女性リシェンヌ(イーデス・ハンソン )が石山を訪ねて日本に来る。しかし石山は高いホテル料金を払い続けられず、田沼の家で預かることに。
リシェンヌを迎えに雄一と石山がホテルに着くと、そこに偶然ローマ支店から東京に移転になった澄子が現れる。
ここは東京オリンピック開催に合わせ1964年に開業した東京プリンスホテル。



(撮影・2015・01・20)
↑ ウーム、完璧な巡礼写真。トリミングを行っていて、一瞬どっちがどっちだか分からなくなった。




(撮影・2015・01・20)
↑ これも澄ちゃんがいなければ見分けがつかないほど。カーテンのヒダまで似ている。




(撮影・2015・01・20)
↑ ホテルに迎えに来たシーンで、若大将の後ろに円筒形の建物が写っているのが気になっていた。「FIAT」(イタリアの自動車メーカー)と書かれてあるのでショールームだったのだろう。今は見ない気がするのだが、どうなったのだろう。
現地で探したら建物はありました。現在はおしゃれなカフェになっていて、当時と違い周囲が庭園風になっており、木立に囲まれているので、建物は外からは目立たないようになっている。





開始より0:35(東京都台東区浅草・今半別館前)

石山を訪ねてきたリシェンヌは田沼の家で預かることに。田能久の住み込みの仲居としてアルバイトすることになる。
映画なので少々大袈裟に表現されているにしても、この時代、すき焼き屋などの和食店に外国人のお客さんは珍しかったようだ。久太郎やリキはとても驚く。それが和服を着て仲居をするというのだから、今の時代では想像できないほどの驚きであったのだろう。
田能久のロケ地は本作品では浅草の今半別館だ。(店内はセット)



(撮影・2007・10・21)
今半別館は浅草寺(せんそうじ)の参道である仲見世のすぐ裏手にある。リシェンヌの背景にある赤い建物は仲見世の商店の裏側だ。向こうに見える瓦屋根の建物は浅草寺本堂の直前にある宝蔵門。宝蔵門の瓦は現在ではなんとチタン製の瓦に改修されているそうだ。
仲見世の混雑ぶりほどではないにしろ、この通りもいつも観光客でにぎわっている。

(協力・メタBOの若大将さん)



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