モデルアート 2014年5月号
PEGASUS HOBBIES [NAUTILUS]


「海底二万マイル」と言うとディズニーが製作した映画、とうのが自分のイメージなのだが観たことがない。しかも原作のジュール・ヴェルヌの小説も読んだことがない。にもかかわらず面白そうなキットなので買って作ってみた。
ディズニーの映画のノーチラス号を写真で見るとこのキットとは形が違うし、何なのだろう、と調べてみたら、このキットはどうやら工業デザイナーによるデザインらしい。
ちなみにジュール・ヴェルヌの書いた小説の日本語訳のタイトルが「海底二万里」(かいていにまんり)。
ウォルト・ディズニーが映画化した作品の日本でのタイトル「海底二万哩」(かいていにまんまいる)。


ノーチラス号 1/144
PEGASUS HOBBIES


ノーチラス号 1/144 ジュール・ヴェルヌが1870年に発表した小 説「海底二万里」に登場する潜水艦「ノーチ ラス号」がアメリカの「PEGASUS HOBBIES」 というメーカーから発売されています。パッ ケージには「a Greg deSantis design」 とあり、どうやらグレッグ・デ・サンティス という著名な工業デザイナーによるデザイン のようです。

  パッケージを持ってみると予想していたよ りずっと重くて驚きます。箱を開けてみると、 枚数の多いランナーがびっしり詰まっている うえに、けっこう大判のエッチングパーツ、 さらにベースになる海底と大イカのスタンド。 お買い得感があります。

多角形を組み合わせた両サイド中央の窓は 宝石のように美しく、このキット最大の見ど ころです。その内側のキャビンと言うより、 ビクトリア調のサロンと言った方がふさわし いような空間には、ソファーやネモ船長のデ スク、地球儀、パイプオルガンなどといった パーツが組み込まれます。しかし 残念なこと に組み上げてしまうと、ほぼ見えないと言っ ていい状態になってしまいます。クリアパー ツの透明度は悪くないのですが。やはり美し い窓の「桟」に遮られてしまいます。
しかしここは「よく見えないけどこの中には そういう世界が作りこまれているんだ」とい うことを覚えていればそれでいいと思うこと にしましょう。

作例では各所にLEDによる照明を組み込ん でみました。LEDにはTOMYTECの鉄道模型 ストラクチュア用の製品「電飾キット」を主 に使用しています。LED部分を内部から仕込 み、コネクタ付きのコードを出しておいて、 後から付属の電池ボックスに接続するだけな ので、割合と手軽に照明が実現できます。
ここでは合計11個のLEDを組み込んで いま すが、それでは11組ものコードが本体から出 てしまい目障りになってしまいますから、内 部で直列に結線して二組のコードにまとめ、 外に出しています。
「光るからどうした」と侮ってはいけませ ん。照明を点灯させると、モデルが急に活き 活きとして見えてくるから不思議です。
 甲板前部にある探照灯もぜひ点灯させたい ところです。しかしとてもLEDが仕込める大 きさではありません。ここはボールペンのキ ャップを流用して自作してみました。

スケールモデルは「こうでなければいけな い」という不自由さが逆に魅力になっている と思うのですが、スケールモデル一辺倒の方 もたまには気分を変えて、スケールモデラー ならではの技術とアイデアを盛り 込んだ、好 みに合ったキャラクターモデルを作ってみる のも楽しいものだと思います。



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